多胡邦夫による楽曲解説

1. 「WAIT FOR YOU」

このエリオット・ヤミンの名曲をカバーするという事はとても素晴らしい経験でした。何しろ歌唱方法も声質も正反対の二人、エリオット・ヤミンとは全く違う持ち味の木山裕策が歌っても感動的な「WAIT FOR YOU」に仕上げなければいけない。
その為にアレンジを担当してくれた中村康就さんには「スケールの大きい壮大なバラードにしてください」とお願いしました。最初に出来上がってきた段階から中村さんのアレンジは素晴らしくてイメージしていた通りの透明感のある壮大なバラードに仕上がっていました。最終的には木山さんの声、歌唱方法に合うように音符の数や歌詞を調整しながら仕上げていき、後は木山さんに魂を込めた歌を歌ってもらうだけでした。そこに関しては天才的な木山さんなので何の心配もありませんでした。 感動的な木山裕策の「WAIT FOR YOU」に仕上がっていると思います。
エリオット・ヤミンの「WAIT FOR YOU」と聴き比べると対照的な二人の持ち味が楽しめると思います。


2. 「ありがとう」

デビュー曲「home」で全国キャンペーンをしている中で、僕達はたくさんのファンの皆さんと握手をさせてもらい心が触れ合う機会に恵まれました。
そしてその握手の際に僕達は「本当に素晴らしい歌をありがとう」
「歌でこんなに感動したのは初めてです」など沢山の温かい言葉を皆さんからかけてもらいました。僕達は『こちらこそありがとうございます』『感動をもらっています』といつも感動していました。特にデビューしたばかりの木山さんは右も左もわからない不安な日々の中で皆さんからの『ありがとう』が心の支えになり、すごく力になっていたと思います。そして何時頃からか『この感謝の気持ちを歌にして伝えたい』という思いが僕達の中に自然に芽生えていたのです。
  最初にメロディーが生まれたのは4月の富山でした。LIVE前の楽屋で木山さんに「ちょっとメロディー出来たから歌ってみてください」とお願いし、歌い終わったあとに「いい曲ですね」と笑顔で言ってくれたあの場面を今でもよく覚えています。
『これでいける』と思った瞬間を・・・
いよいよ完成です。僕達の熱い思いを全て閉じ込めました。
この歌は木山裕策を応援してくれた皆さんへの歌です。

生きているということ その素晴らしさを教えてくれた君に「ありがとう」


3. 「hello」

この曲は大きな意味での「Birthday Song」です。
産まれた瞬間 愛に出会えた瞬間の幸せ
たとえ一瞬でも愛している人と同じ時代に生きているという幸せを歌っています。
こういう歌をこういう感じで歌えるのが木山裕策の素晴らしさなのです。


4. 「幻」

いろいろな場所やインタビュー等で話していたあの『幻の曲』です。
「歌スタ!!」での最終プレゼン用に最初に制作した曲は、実はこの曲だったのです。
インタビューでは「ルックスが合わなかった」などとひどいことを言っていましたが要するにデビューするには年齢的にも環境的にも不利な条件の木山裕策が一か八かの勝負に挑むには「39歳の木山裕策が歌う必要性のある歌」でないと駄目だったということです。だから親から見た子供への愛の歌「home」で勝負しました。
でも最初に「homeに変更します」と告げた時の木山さんの顔は何となく寂しげでした。(ここだけの話 その時点では『幻』の方が気に入ってたみたいです)
「どんな曲だったのだろう」と気になっていた皆さんお待たせしました。
これが『幻の曲』です。


5. 「 PIANO MAN」

「歌スタ!!」であの時「PIANO MAN」を歌っていなかったら木山裕策は今でも普通のサラリーマンだったでしょう。エルトン・ジョンでも同じビリー・ジョエルの「Honesty」でも駄目だったと思います。木山さんの釘を打つような歌唱方法に完璧にマッチしている「PIANO MAN」。僕が愛しているビリー・ジョエル。この二つが揃わなければ何も奇跡は生まれなかった。真っ直ぐ一生懸命生きていれば何時かチャンスは巡ってくるものです。あとはそのチャンスをリスクを顧みないで掴む勇気があるかどうかです。あの日、僕がどうして「よろしく」札を挙げたのか?この「PIANO MAN」を聴いていただけたらきっと皆さんにも分かっていただけると思います。
また、木山裕策はこの曲で歌以外の楽器に初挑戦しています。
あの印象的なイントロのハーモニカは木山裕策が吹いているのです。
小学生の頃の河原を思い出すような、あの音色は素朴で素敵で。
ハーモニカを吹いても木山さんは木山さんなんだな・・・とつくづく感心しました。